【学生の声2022】他大学からの進学と東大の魅力

2022年度「学生の声」
横山 天河(地球惑星システム科学講座 修士1年)

皆さん初めまして。地球惑星システム科学講座 田近研究室所属 修士課程の横山天河です。他大(東工大)から東大に進学した学生の一人として、本稿の執筆依頼を承りました。拙い文章ではありますが、東大地惑への進学を決断するための判断材料となれれば幸いです。

1. 自己紹介

私は、学部時代は東京工業大学理学院地球惑星科学系に在籍していました。修士課程から東大地惑に進学し、現在は田近研究室に所属しています。地球史全般に興味があり、東工大の卒論では生命起源に関する研究をしていました。具体的には、初期地球大気を模した系での光化学反応を実験的に調べていました。

田近研では海洋表層生態系モデルを用いて、過去の地球における酸化還元環境変動と生態系変動の共進化を調べています。特に現在は、ペルム紀/三畳紀境界時の大規模地球環境変動イベントを想定して、海洋表層生態系の基礎生産者がどう遷移したかをシミュレーションしています。

2. 院試に関するあれこれ

他大の院試に関する情報はなかなか収集しにくい部分だと思います。そこで、①院試までの流れ、②アドバイス、③東大進学を決めた経緯、という3つの内容を私個人の経験と主観に基づきつらつら述べていきます。

①院試までの流れ
学部3年生の終わり頃から田近研への配属が決まるまでの出来事を院試以外のことも含めて時系列順で簡単にまとめました。

3月0  東大地惑院試プレガイダンスの存在をガイダンス開催後に知る
4月頭0 同期の人たちと週2回の院試勉強会を開始(私は数学と地球科学の2科目を勉強)
4月末0 東工大地惑院試ガイダンスに出席
5月末0 東大地惑院試ガイダンスに出席
5月末0 教育実習開始
6月中旬0東工大出願
6月末0 教育実習終了
6月末0 東大出願
8月 0 東工大院試(地球科学のみで受験)
8月 0 東大院試(数学&地球科学で受験)
9月 0 東工大地惑専攻に合格
9月 0 東大地惑専攻の地球惑星システム科学講座&地球生命圏科学講座に合格
10月  池田研(システム)、田近研(システム)、狩野研(生命圏)に研究室訪問
    (田近先生とは確か2回ほど面談しました)
10月  希望配属先の第一志望に田近研を選択
11月  田近研に配属決定

②アドバイス
私が皆さんに伝えたいアドバイスは「情報収集は早めにするように」ということです。私の場合、院試関連の情報収集は完全に後手に回っていました。特に、出願前に研究室訪問をしていなかったせいで、後々大変な思いをしました。

私の同期の多くは5月の東大院試ガイダンス後から6月の出願までの間に研究室訪問をしていたようですが、私は丁度その頃教育実習に参加しており、忙しかったため研究室訪問をしていませんでした。そのため、東大合格後の研究室選びでは、研究室の情報がほとんどない状態から始めることになってしまいました。もちろん、東大に出願する段階で志望研究室を田近研含めいくつかに絞ってはいましたが、まだ迷っている状態でした。出願時にはどの研究室に所属したいかということは明確にしておいた方が良いと思います。

昨今はオンラインでも対応していただけると思うので、少しでも興味のある研究室には積極的に連絡することをおすすめします。繰り返しになりますが、情報収集はお早めに!

③東大進学を決めた経緯
実は私は元々、第一志望が東工大、第二志望が東大でした。しかし、実際に両大学院に合格した際、熟考せずに東大進学の可能性を排除していいのだろうかと思ったため、ひとまず合格後の研究室訪問には参加することにしました。いざ研究室を訪問すると、どの研究室も面白そうで、進学先を再考しようと決めました。東大進学の選択肢を簡単に消さなくて本当に良かったです。皆さんも、東大に拘わらずもし複数の大学院に合格したら、一旦研究室に話を聞きに行くことをおすすめします。

さて、私は地球史全般に興味があり、何か特定のイベントを扱いたいわけではありませんでした。また、特定の研究手法を用いたいわけでもなかったので、思い切って研究内容も手法もがらりと変えてみるという選択も面白いのではないかと考えるようになりました。加えて、私は学部4年の時点で博士進学を視野に入れていたのですが、9年間同じ場に留まるよりも一旦環境を変える方が、コミュニティが広がるといったメリットが得られるようにも思えたのです。ただ、同期のほとんどが東工大の院に進学するので、仲の良い人が多い環境を選ばないという選択にはなかなか勇気が要りました。

とにかく色々悩んだ末、東大進学を決意しました。理想を言えば、何か決定打となる出来事が起きていて、それをここで紹介できれば良かったのですが、私の場合は徐々に東大に行ってみたい気持ちが募っていったという感じでした。東大と東工大のどちらが良かったのかを比較することはできませんが、少なくとも現在は、東大へ進学して良かったと思っています。

3. 東大の魅力

最後に、東大地惑の魅力を2つ紹介したいと思います。1つ目の魅力ですが、とにかく規模が大きいということです。教員の数が多く、開講されている授業の数も山ほど多いです。大学院入学直後、どの授業を受講しようか非常に悩んだのを覚えています。自分の専門分野に限らず、広く深く学問を修めることができる環境が整っています。また、研究するうえでも、色々な分野の専門家に助言が貰えるので規模の大きさは非常に大きな強みだと思います。

2つ目のメリットとしては、リサーチアシスタント(RA)などの経済的支援があるプログラムが充実しているということです。東大には国際卓越大学院教育プログラムという修士博士一貫のプログラムが展開されており、私はそのうちの一つである宇宙地球フロンティア国際卓越大学院(IGPEES)というプログラムにM1の10月から採用されています。お陰様でM2から一人暮らしを始めることができました。 ちなみに、東大周辺には美味しい飯屋が多くあるのも魅力の一つですが、人気が出すぎて混雑するのも困るので、今回は割愛します。

4. 最後に

長文にお付き合いいただきありがとうございました。少しでもこの文章が役に立てれば幸いです。皆さんと東大地惑でお会いできることを楽しみにしております!

横山 天河(地球惑星システム科学講座 田近研 修士1年)
[2023.03公開/2022年度「学生の声」]

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