個体別のスケトウダラの回遊履歴復元 ―北海道周辺の3グループの生態履歴―
共同プレスリリース
安東 梢(地球惑星科学専攻 修士課程(研究当時))
横山 祐典(地球惑星科学専攻 教授(兼任))
発表概要
東京大学大学院理学系研究科修士課程(研究当時)の安東梢氏、同大学大気海洋研究所横山祐典教授らと、水産研究・教育機構水産資源研究所の境 磨 底魚資源部底魚第1グループ長らの研究グループは、近年開発された実験装置を用いて北海道周辺で捕獲された(図)スケトウダラの耳石中の天然の放射性炭素(炭素14)の分析を行い、個体毎の回遊履歴について復元しました。
その結果、北海道周辺の3つの海域(日本海北部、オホーツク海南部、太平洋)のスケトウダラは、それぞれ炭素14濃度も3つのグループに分かれることが確認され、それぞれのグループに属する個体の多くが、ふ化から漁獲されるまで同じ海域におおむねとどまっていたことが示されました。
さらに、日本海北部とオホーツク海南部のグループの複数個体では、漁獲された海域から大きく離れて回遊した可能性も明らかになりました。これは北海道周辺のスケトウダラが海域を跨ぐような広域にわたって回遊したことを示唆するものであり、持続可能な水産資源管理を行う上で重要な情報となります。
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