【学生の声2019】寺田 真未子(大気海洋科学講座 修士2年)

2021年度「学生の声」
寺田 真未子(大気海洋科学講座 修士2年)

⽂章を書くのが⼤の苦⼿なのですが、外部⼊学の⼈に書いて欲しいと⾔われてしまい断りきれませんでした。他の⽅が⼤学院の様⼦をたくさん書いてくださってるようなので、この環境に来るまでの過程をつらつら書こうと思います。
冒頭の通り、私は他⼤学かつ他分野から⼤気分野に来た⼈間です。事情が他の⽅とちょっと異なるため、⻑⽂になります。どうしてわざわざ他分野から?と気になる⽅は⼩学校時代から、お前の過去は興味ない院試について教えろ!という⽅は⼤学院⼊試からお読みください。

小学校時代

現在私は気象を学んでいますが、興味を持ったのは⼩学6年⽣の時でした。具体的には、 N○K の天気予報で気象予報⼠が画⾯を操作しながら情報を伝える様⼦を⾒て、「私も晴れマークを動かしたい」がきっかけです。動機が軽すぎますね。まあ⾃由研究で雲について調べた記憶もあるので、もともと空が好きだったと思います。
さらに当時テレビで、最年少気象予報⼠として1 学年上の男の⼦が資格を取ったとのニュースを観て、負けず嫌いの性格に⽕がつき、気象の本を読み漁ったりラジオの気象通報を聞いたりしてました。

中学・⾼校時代

⽬の前の⽣活でいっぱいいっぱいになり気象の勉強は常に⼆の次三の次…。また、幼い頃から数字が好きだったので数学分野にも惹かれ始めてました。
⼤学受験時は気象に進むか数学に進むかギリギリまで悩み、国⽴に振られたこともあって東京理科⼤学理学部応⽤数学科に⼊学しました。(⼊学時は「数理情報科学科」という名前でした。こちらの⽅がどんな学科か想像がつく⽅が多いでしょう。)
ちなみに応⽤数学に出願した理由は、数値解析に気象も関係することから、数学も気象もできるのではと漠然と考えたからです。

⼤学時代(学部⽣)

応⽤数学科にいたので、勉強の中⼼は常に数学でした。さらに、⼤学2年あたりで情報系よりも数学そのものの授業の⽅が好きだと気づき、⼤学3 年次は数学科のような授業ばかり受けて過ごしてました。

3年の夏休み、周りがインターンに勤しむようになり進路を考え始めました(インターンは⾯倒で⾏ってません)。どんな職業に就きたいか考えた時、気象分野に⾏きたい気持ちが⾃分の中で思ったより強かったので困りました。⾃分の気象に関する知識は中学までの地学+αしかなかったので…。このままだとこの業界に⾏けないという気持ちと、何より気象を学びたい気持ちが数年ぶりに膨れ上がり、⼤学院進学の道が浮上しました。

しかし⼤学院は研究をする機関です。なのに無知の⾃分が受けていいのか…。勉強するだけなら本を読めばいいですが、研究を通して能動的に気象の問題と向き合わなければ学んだことにならないのでは…。当時はそう考えていた気がします。まあ無理だと判断されたら落としてくれるだろう。そんな思いもあり、⼤学院受験が決定しました。

院試を受けたのは東京⼤学のみです。選んだ理由は⾊々ありますが、⼤きかったのは受験科⽬です。そう、地学がないのです。学部の時から同分野だった同学年の⼈たちに地学で勝てるはずがありません。
その点東京⼤学は数学と物理なので⾮常に助かり…いや、実際は助かってませんでした。物理も⼤学時代全く勉強してないからです。なにせ応⽤数学科ですから。ということで、熱⼒学の“ね”の字も知らない状態で、⼤学院試勉強が3 年の11 ⽉あたりから始まりました。
※ 就活はしていません。落ちたらその時どうするか考えようと思 ってました。⾃信があったわけではありません。気象分野に⾏くならこれが最後のチャンスと思い背⽔の陣っぽく受けました。

大学院入試

やることは2つ、研究室訪問と試験勉強です。まず研究室訪問ですが、私は3年の11⽉あたりに、HP を⾒て気になった先⽣のところへ2箇所ほど訪問に⾏きました。
最初は、研究内容を聞いても今の⾃分では何もわからないのに申し訳ないどうしよう…とかなり震えていました。訪問依頼のメールに⾃分の現状を書きましたが、その上で快く受け⼊れてくださりました。そして、研究内容はイメージが持てるよう概要を話してくださり、学⽣の⽅と話す機会も設けてもらいました。
漠然としてた⼤学院進学が現実味を帯びてきたので、かな り早すぎる訪問でしたが良い機会だったと思います。ちなみに、この時点で研究室を決めたわけではありません。最終決定は合格後の研究室訪問の後なので、あまり気負わず、いろいろな先⽣⽅とお話しすると良いと思います。

そして問題の試験勉強。前述の通り、最⼤の敵は物理でした。数学も余裕というわけではなかったですが、いきなり過去問から⼿をつけられる点でかなり気が楽でした。
物理の勉強はもちろん参考書を解くことから始めました。しかし⾼校時代、実は物理が理系科⽬の中でダントツ苦⼿で…。なんかもう問題の図を⾒るだけで嫌いでした。何なんでしょう、あの複雑な問題設定の⻑⽂。…話を戻します。
物理は⼒学、電磁気学、熱⼒学でそれぞれ⼤問1つずつ出ます。全部で⼤問4つ解くべきで、数学で2問分は稼げるので、この3種の中から2つに絞って対策すれば⼗分でした。
⼒学は選ぶとして、電磁気と熱⼒どちらにするか…。共に⼤学物理の内容で1からやらざるを得なかったので、とりあえず電磁気を選びました。

参考書で勉強をし、4 年に上がってからは物理科の2 年⽣あたりの授業に潜り込んで電磁気学を受けたりもしました。…さっぱりわからない。発散・収束すら?の連続(本当にこんなレベル)。 試験が近づくにつれ焦りもあり、完全に付け焼き刃な状態でした。
しかし6 ⽉、偶然物理科の知り合いができ、熱⼒学を勧められました。試験まであと⼆ヶ⽉というところで熱⼒に変更を決意。とにかく本を読みまくりました。そしたら何と問題が解ける解ける。化学が元から好きだったので相性が良かったのかもしれません。
そんなこんなで、あっという間に試験の⽇になりました。あ、英語。苦⼿でした。とりあえず参考書を解いてました。⼀つアドバイス?をするとしたら、リスニングをイヤホンで練習しすぎて、本番の会場のスピーカーからの反響に違和感しかなく全く集中できなかったので(ただの⾔い訳)、普段から聞き取りすいイヤホンではなく機器から直接流して練習した⽅がいいかもしれません。会場も⼤きいので響きます。

試験当⽇。受かったら奇跡だなと思いつつ会場へ。内部⽣と外部⽣が⼀⽬でわかる。(1 ⼈で単語帳を⾒てる⼈はきっと外部⽣(私もそうしてた)。⼤⼈数で話してるのはきっと内部⽣。ああ秀才がたくさんいる…)

午前の英語は割愛。思い出したくもない。お昼ご飯を外のベンチで⾷べていたら蚊にめちゃくちゃ刺されたのでお気をつけください。
午後の理系科⽬。数学を先に解いて物理へ。うーん、書けるだけ書くがあってるのかよくわからない…としている間に試験は終了。
最後に⼩論⽂。事前に⽂章は考えていましたが、完璧に覚えたわけではないので多少その場で考えました。研究で何をしたいかを具体的に書けない私は、当時学んでいたこと(流体の数値シミュレーション)を中⼼に書いたと思います。1 ⽇が⻑かったような⼀瞬だったような、そんな⽇でした。

筆記の結果が出るまでは1週間あります。遊びました。現実逃避です。そして発表をHPで確認。番号があって1分ほど喜びましたが、⾯接が2⽇後と知り真っ⻘に。

⾯接に向けては、聞かれそうなことをいくつか想像してました。しかし当⽇は頭が真っ⽩になり、最初の質問に対して⾔いたいことを全て話してしまい、気づけば5分ほど喋り続けてました。熱意が伝わったのか、合格をいただきました。後⽇談、⾯接で5分間話し続けた奴だとしばらくいじられてました。話は簡潔にしましょう。

最後に

こう改めて思い出してみても、よくこの環境に⾝を置けているなと思います。みなさんも、こんな奴でも受かるのかと思ったことでしょう。私も同感です。
強いて⾔うなら、数学が思ったよりできた(もっと取れた気もする)、熱意だけはあった、が要因な気もします。時間をかけまくった物理は結局酷かったです。つまり、⼤学で物理を学んでいるであろう皆さんは、きちんと勉強すれば⾝構える必要はないと思います。参考になる気がしない⽂章ですが、お役に⽴てれば幸いです。頑張ってください。

⼤学院での⽣活を全く書かないのもあれなので、最後に少しだけ。⼤気分野は結局物理です。結局苦しんでいます。数式に抵抗がないことだけ褒められていますが、式から意味が読み取れない…。
私が所属する研究室はM1が⾃分のみなので、毎週本読みが回ってきます。研究会やセミナーなど発表機会も多く、最近は毎⽉何かしら発表しています(しかも⾃分の研究についてではない)。
苦⼿だった英語は、論⽂と本読みと海外の⼤学との合同研究発表会と英語尽くしなのでいい加減慣れてきました。そんな⽣活を送っています。やばいところに来たなと思いますが、やばさに慣れたのでどうにかなりそうです。何より、好きな分野に来れたので様々なことを知れるのがとてつもなく楽しいです。

皆さんも、⾃分が⾯⽩いと思えるものを⾒つけて、是⾮、納得いく進路を進んでください。

寺田 真未子(大気海洋科学講座 修士2年)
[2020.03公開/2019年度「学生の声」]

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