【学生の声2021】院生生活の1週間

2021年度「学生の声」
大鶴 啓介(固体地球科学講座 修士1年)

大学院に進学したらどのような分野でどのような研究ができるのかについては進学ガイダンス等で聞けるかと思いますが、院生になったらどのような生活を送ることになるのかについては「授業は学部より少ないよ」とか「時間の大部分を研究に使うよ」とか言われてもあまりピンとこないかと思います。地球惑星物理学科に所属していたときの自分もそう感じていました。

そこで、ここでは院生生活の日常についてなるべくイメージを持ってもらいやすいように、修士1年Aセメスターのときの私の平均的な1週間の生活について書き連ねていきます。
もちろん分野、研究手法、研究室、学年、さらに言えば某感染症の状況によっても生活はかなり異なりますので、これはあくまでも一例だという前提でお読みください。

月曜

午前:自由時間

週の初めから自由な時間です。ただ自由とは言っても遊んで過ごしたらいいということではなく、研究を進められる貴重な時間です。

自分はデータを解析するような研究を行っているので、解析のためのプログラムを組むのが研究作業のメインになっています。
所属する研究室では主にjavaで書かれたプログラム群を開発しているのですが、まだそこに実装されていないような機能が欲しくなったらそれを実現するプログラムを書いてデバッグし、プログラム群に組み込みます。そしてそれを使って、実際にダウンロードしてきたデータを処理していく、という流れです。

作業はパソコンさえあればどこでもできるので、学校に行く必要のない日は家で作業していました。もちろん実験系の研究をやっているのであればこの時間は実験室にこもって過ごすのだろうと思います。

3限:授業

Aセメスターでは授業を週3コマ取っていました。修士1年の間は2〜5コマ程度取るのが一般的だと思われます。学部のときほどカリキュラムが系統だっておらず、雑多な講義の中から目に留まったものを受講するというような印象です。

並列計算や機械学習など、自分の研究で使っている、あるいは将来的に使いうるようなツールについて学んだり、あとは隣の分野でどのような研究が行われているのかの話を聞きに行ったり、というような授業の選び方をしていました。
理論を一から追っていくような授業というよりは様々な研究を紹介するような形式の授業が多いので、学部の時よりは授業を気楽に聞けます。

試験がある授業は少ないですがレポートが課されることが多いのでセメスター終わりはレポートで忙殺されることになります。

午後:自由時間

授業が終わったらその後も空いている時間なので、午前やっていた作業の続きをします。

火曜

午前:自由時間

はい、また自由時間なのですが、火曜日は大学に行く用事があるので、午前から大学に行って作業をしていました。ずっと同じ場所で作業していても飽きるので場所を変えて気分転換するためという面もあります。

大学院生の居場所は「院生室」という部屋になります。同じ研究室の人で固まって過ごすのかと思いがちですが基本的にはそうではなくて、いくつかの講座の、異なる研究室・学年の院生が各部屋に入り混じった状態になっています。

一方で学部のときの控室とは違い、それぞれの人に机が割り当てられていて研究環境を整備できます。特にディスプレイは置いている人が多く、研究環境としては家より良いでしょう(家にも環境を構築しているのでなければ)。
どの院生室のどの机に振られたいかは院試の後に希望を出せるので、そのときになったら院生室を見に行ったり指導教員と相談したりして決めましょう。

院生室

午後:特別研究の手伝い

特別研究は学部4年生が行うものですが、研究室で受け入れている4年生への対応の手伝いをしていました。主にソフトなどのツールの使い方を教えたりしていました。

水曜

1限・3限:授業、2限・4限以降:自由時間

月曜と同じように、家でオンライン授業を受け、あとは作業時間です。

木曜

午前:自由時間

火曜午前と同じように大学に行って院生室で作業をしていました。

13:00〜:研究室ローテーション

卓越大学院というプログラムの一環で研究室ローテーションというものを行っていて、物理学専攻のとある研究室にオンラインでお邪魔してそこでどのような研究を行っているのか学ぶことができました。
卓越大学院というのは修士課程から博士課程まで進学する人向けに、他分野と交流したり将来役に立つ能力を身につけたりする機会を提供するプログラムで、経済的な支援も受けられます。
卓越大学院にもいくつか種類があってプログラムの内容や募集時期も異なるので、大学院に進学する時点で博士課程まで進むことを決めている人はぜひ調べてみて、指導教員と相談の上応募してみてください。

14:30〜:研究室でミーティング

毎週1回研究室でミーティングをしていました。ここで1週間の進捗報告をし、研究室の他のメンバーからアドバイスをいただいたり、次の1週間で何をすべきか確認したりします。

16:00〜:特別研究の手伝い

火曜午後と同様に特別研究の手伝いです。

金曜

午前:セミナー

金曜の午前には、セミナーが2つ連続してありました。一言でセミナーとはいっても内容はまちまちです。

1つ目のセミナーは、プレートテクトニクスについての教科書を読むというものです。よくある輪読のような形式で、章ごとに担当者を決めて、その人が内容をまとめて発表します。

2つ目のセミナーは毎回発表者が決まっていて「何でもいいから何かについて発表する」というものです。地球内部科学関係の院生と教員で行っているため地球内部科学に関連する内容であることが多いですが、他分野で行われている研究を紹介することもあります。
発表の準備が少し大変ではありますが、その過程で自分の思考もまとまり、またセミナーがなかったとしたら読まないような少し違う分野の論文を読むきっかけになるので、研究を進める上でも役に立ちます。

午後:自由時間

院生室で作業です。

週末

週末はほぼ学部のときと変わらず、大学関係の予定は基本入らないので自由に使えます。サークル活動に参加したりバイトをしたり友達とどこか出掛けに行ったりできますし、そういう予定がない日は授業のレポートを解いたり研究を進めたりしていました。

ここまで、大学院での平均的な1週間についてなるべく具体的に書いてみました。皆さんが院生生活の様子を知るのに役立てば幸いです。

大鶴 啓介(固体地球科学講座 修士1年)
[2022.03公開/2021年度「学生の声」]

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