共同プレスリリース
池田 昌之 (地球惑星科学専攻 准教授)

発表概要

静岡大学のLEGRAND Julien助教らの研究グループ(静岡大学、むかわ町穂別博物館、東京大学)は、北海道むかわ町穂別で発見された国内最大の恐竜全身骨格である通称「むかわ竜」、カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)の化石の周囲の地層から、日本初産出の被子植物花粉を含む多くの花粉や胞子の化石を発見しました。

産出した花粉種を含む被子植物についての花粉層序(花粉化石から地質時代を決定する研究)を再検討した結果、カムイサウルスが産出した地層からは白亜紀最末期のマーストリヒチアン期の花粉化石が多産する一方、そのひとつ前の時代;カンパニアン期に絶滅した花粉化石は発見されませんでした。このことから、カムイサウルスがマーストリヒチアン期初期に生息したことが支持されました。カムイサウルスが産出した蝦夷層群は、白亜紀の北西太平洋地域の標準層序であるため、同時期の被子植物の進化過程を高時間分解能で解明できると期待されます。

本研究の成果は、国際誌「Palaeontological Research」電子版に11月30日に掲載されました。

カムイサウルス・ジャポニクス カムイサウルス
図:海岸で咲いているTriprojectate花粉由来のビャクダン目とカムイサウルス・ジャポニクスのイラスト(上)本研究で花粉化石を発見したカムイサウルス化石の部位と三溝型花粉。服部雅人氏提供。

詳細については、以下をご参照ください。

共同プレスリリース
高橋 嘉夫(地球惑星科学専攻 教授)
橘 省吾(宇宙惑星科学機構/地球惑星科学専攻 教授)

発表概要

小惑星回収試料や隕石の反射スペクトルは、観測で得られる小惑星の反射スペクトルから小惑星の構成物質を特定するための手がかりとなります。

東北大学大学院理学研究科地学専攻の天野香菜大学院生(現、客員研究者)、中村智樹教授、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の松岡萌研究員、東京大学大学院理学系研究科附属宇宙惑星科学機構・地球惑星科学専攻の橘省吾教授らの研究グループは、小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから回収した試料を地球大気と反応させないように工夫して反射スペクトルを測定しました。リュウグウ試料、リュウグウと同種の小惑星から飛来した隕石、および隕石を実験的に加熱した試料を比較し、隕石が地球大気の水や酸素と反応したことでその反射スペクトルが宇宙にあった状態よりも明るく変化したことを示しました。本成果を踏まえ、隕石の地上での変質によって反射スペクトルがどのように変化しうるかを考慮することで、観測によって小惑星の構成物質を特定する精度の向上が期待されます。

本成果は2023年12月7日に米国科学振興協会(AAAS)が発行する学術誌 Science Advancesに掲載されました。

リュウグウ試料の反射スペクトル
図:リュウグウ試料(グラフ中の青線)、加熱していないCIタイプ隕石(黒の点線)、300度で加熱したCIタイプ隕石(赤線)の反射スペクトル。

詳細については、以下をご参照ください。

全学の卒業式および学位記授与式についてお知らせいたします。
※各学科、専攻の学位記伝達式については、決まり次第通知いたします。

〇全学 卒業式について
卒業式(対象:学部卒業者) | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)

〇全学 学位記授与式について
学位記授与式(対象:大学院修了者) | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)

共同プレスリリース
瀧川 晶(地球惑星科学専攻 准教授)
橘 省吾(宇宙惑星科学機構/地球惑星科学専攻 教授)

発表概要

太陽から遠く離れた場所で生まれた氷天体や彗星にはアンモニウム塩のような窒素化合物が大量に貯蔵されています。このような窒素を含む固体は生命の材料物質としてとても重要だと考えられていますが、地球軌道の地域に輸送される証拠は見つかっていませんでした。本研究では、地球の近くに軌道をもつ小惑星リュウグウの砂を電子顕微鏡で調べ、砂のごく表面が窒化した鉄(窒化鉄:Fe4N)に覆われていることを発見しました。窒化鉄は、磁鉄鉱と呼ばれる鉄原子と酸素原子の鉱物の表面で見られます。我々は、氷天体からやってきたアンモニア化合物を大量に含む微小な隕石がリュウグウに衝突して、磁鉄鉱の表面で化学反応が起こり、この窒化鉄が形成したと考えました。小惑星の表層では、太陽から吹くイオンの風(太陽風)の照射などによって磁鉄鉱の表面から酸素が失われていて、アンモニアと反応しやすい金属鉄がごく表面に形成しています。このため、磁鉄鉱の表面ではアンモニアに由来する窒化鉄の合成が促されたと推測しています。この微小隕石は太陽系遠方の氷天体からやってきたかもしれず、これまで気づかれてきたよりも多くの量の窒素化合物が太陽系の地球付近に輸送されて、生命の材料となった可能性があります。

本成果は、京都大学白眉センターの松本徹 特定助教、理学研究科の野口高明教授、三宅亮准教授、伊神洋平助教、化学研究所の治田充貴准教授、および国際的な共同研究者のグループによって行われ、2023年11月30日に英国の国際学術誌「Nature Astronomy」にオンライン掲載されました。

本研究成果には、地球惑星科学専攻の 橘省吾教授、瀧川晶准教授が参加しています。

) 小惑星リュウグウの試料に含まれる磁鉄鉱粒子
(A) 小惑星リュウグウの試料に含まれる磁鉄鉱粒子。(B)丸い磁鉄鉱の断面画像。

詳細については、以下をご参照ください。

ウォリス サイモン教授がトリノ科学アカデミー(Accademia delle Scienze di Torino)の通信会員に選出されました。

賞状を手にするサイモン教授

トリノ科学アカデミーは、王宮の科学諮問委員会として 、1783年にイタリア・トリノで設立されました。現在は独立しており、あらゆる分野における科学的活動を促進しています。
毎年、数学と自然科学の分野で約 10 人の科学者が通信会員に選ばれます。メンバーは主にヨーロッパを研究拠点としている研究者から選出されますが、日本やアメリカなど、他の地域の大学や研究所所属の研究者もいます。

ウォリス・サイモン教授は、構造地質学と岩石学、特にヨーロッパアルプスを含む造山帯プロセスの理解への貢献により、2023年4月5日に選出、同年11月21日にイタリアのトリノ市で行われた式典にて会員証を受け取りました。


詳細は以下をご覧ください。
(イタリア語・英語のみ/Simon R. WALLIS表記)

詳細は下記よりご確認ください。
https://webfs.adm.u-tokyo.ac.jp/public/qaYzg9zIRQ5RonV-UDlZCGDRaaZwAserx4cwyvi4pCfT

2024年3月 修士課程修了予定者 各位       English guide is here.

下記要領で修士論文提出受付および発表会を行います。
提出方法等の詳細はこちらをご覧ください。

◆スケジュール◆
 12月1日(金) 9:00 タイトル登録開始(情報集約システム)
 1月 5日(金)  23:59タイトル登録締切(情報集約システム)
1月15日(月) 12:00審査用論文提出締切(情報集約システム)
1月17日(水) 23:59発表要旨提出締切(pdfファイル)※1
1月18日(木)15:00研究計画書〈博士課程進学希望者〉(pdfファイル)※2
1月24日(水)~1月26日(金)修士論文発表会(プログラムは1月17日頃にWEB上で通知)
 3月 1日(金)15:00 最終版修士論文提出締切
       ①pdfファイルを情報集約システムにて、②製本済論文を専攻事務室に提出)

◆その他◆
・修士論文発表会は、発表時間20分、質疑応答10分で行います。
・論文タイトルは例年間違いが散見されますので特に注意してください。
・1月17日(水)までに研究業績を情報集約システムで更新しておいてください。

※1発表要旨を1月17日(水)までにグループ別に下記URLへアップロードください(A4 1~2ページ程度)。
ファイル名は「学籍番号+姓+名」としてください。
大気海洋グループ
宇宙惑星グループ
システムグループ
固体地球グループ
生命圏グループ

※2博士課程進学希望者の方へ
1.英語診断試験(TOEFL-ITP)が2月14日(水)に行われます。
2.研究計画書提出先
※詳しくは専攻HPの入試情報をご覧ください。
https://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/graduateadmission/

レンタル・購入方法については、下記ページをご覧ください。
式服(アカデミックガウン)について | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)

なお、レンタル受付期間は【令和6年1⽉5⽇(金)〜2⽉27⽇(火)】とされていますが、
式服の在庫数量には限りがあり、希望者多数の場合は先着順(受付は早期終了)となりますので、
式典当⽇に着⽤を希望する場合は、できる限り早めに⼿続をしてください。

表題の通り、ガイダンスが行われます。履修希望の方はご参加ください。
※国際研修Ⅰについては、下記の通り、事前登録が必要 となっておりますのでご注意下さい。

ポスターは下記よりご覧ください。
https://webfs.adm.u-tokyo.ac.jp/public/FaIwgjxIQ55Gf3NMFF2N09edigr24DQ6pHrz0OwttOg7

<地球惑星環境学国際研修I> 募集説明会開催のお知らせ

【日程】 2023年12月4日(月)12:15-13:00 
【対象】 学部生・院生の全て
(理学部以外の学生も受講・参加できます。但し履修対象者は学部3年次以降生・大学院生)
【場所】 理学部1号館105室 & Zoom (URLはメールアドレスに送付)
 説明会へは事前登録が必要となります:https://forms.gle/2ZmM33vQMRHdWwCQ8 
(当日参加出来ない場合でも後日説明会の動画リンクを送付します)
【問い合わせ先】横山祐典 yokoyama@aori.u-tokyo.ac.jp 

<地球惑星環境学野外巡検III>

今年度の野外巡検III (海外巡検)は、3月にオーストラリアにて行います。
受講希望者は下記のガイダンスに参加してください。
なお当日ガイダンスに参加が難しい方には、ガイダンスをZOOM配信(後日録画配信も有)します。
ZOOM参加希望者は 12/3迄 に以下から登録してください。

【日程】 2023年12月4日(月)12:15-13:00
【場所】 理学部1号館105室
ガイダンスへの当日現地参加が難しい場合のZOOM参加希望登録URLhttps://forms.gle/N5Ur5w2wtq56L1U79 【問い合わせ先】横山祐典 yokoyama@aori.u-tokyo.ac.jp

本専攻が設置する、東京大学基金プロジェクト「地球惑星科学の研究教育支援基金」より、2023年度第2回の募集を行います。

応募締切:2023年12月20日(水)17時

募集概要

本事業は、基金を利用して、学生が主導する研究プロジェクトや学修活動、ネットワーク形成などへの支援や、研究教育活動の推進を目的とするものです。応募にあたっては、募集要項をよくご覧ください。

申請資格

学生:2023年4月1日現在、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻、理学部地球惑星物理学科、地球惑星環境学科に在籍する学生である者。休学者は対象外とする。

教員:応募時において地球惑星科学専攻に在職している者。実施期間内に異動があった場合は、在職者へプロジェクト責任者の交代を行うことを前提とする。

活動期間

2024年2月以降、2024年12月末までに終了すること。
※2023年度が在籍最終年度の者は2024年3月31日までに終了すること。

助成額および採択予定数

助成額採択予定数
最大30万円3件

※採択予定数は応募数・内容・予算の状況により増減することがあります。
※助成は東京大学の経理規定に則り行います。

募集要項・申請書

  • 2023年度第2回 募集要項[PDF
  • 2023年度第2回 申請書 [Excel

本募集に関する連絡先

地球惑星科学専攻 基金同窓会委員会
fund-alumni[a]eps.s.u-tokyo.ac.jp(メール送信時は[a]を@へ変換ください)
担当:奥村 大河
専攻事務室担当:佐々木

森田 寅靖さんが日本地震学会 2023年度秋季大会(2023年10月31日~11月2日)にて、2023年度日本地震学会学生優秀発表賞を受賞しました。

森田 寅靖(M1・地震研究所・古村研)

「アジョイント方程式に基づく、2次元P-SV波動場及び震源推定の試み」


詳細は以下をご覧ください。

実験固体地球科学分野の教員(助教)の公募を行うことになりました。詳細は下記の要領をご確認ください。

応募締切:2024年1月9日(火)必着

公募要領(日本語, 英語)