Nature誌に平沢達矢准教授による解説(News & Views)が掲載 —四肢動物の「くび」の進化についての最新研究を論評
Nature誌編集部からの依頼を受けて平沢達矢准教授が執筆した解説記事(News & Views)が、同誌(オンライン版2026年10月14日公開/本誌Volume 659 Issue 8139, 2026年11月5日 号)に掲載されました。
News & Views:How early tetrapods got their neck
概要
本記事は、同誌に掲載された Korneisel et al. (2026) による初期四肢動物の頸部の可動性に関する、最新のバイオメカニクス研究を論評したものです。
頸部は、魚類から陸上脊椎動物への移行期に頭骨と肩帯の分離に伴い成立したことが知られており、これまで、頸部の成立が頭部の可動性をもたらした進化であると考えられてきました。
しかし、Korneiselらは、組織学的に初期四肢動物と類似している現生チョウザメの脊柱を用いた物理的な材料テストをベースに定量的なモデリングを行い、初期四肢動物の頚部は驚くほど堅く、可動域がきわめて制限されていたと結論づけました。
このことから、初期の頸部は頭部を動かす機能を担っていたのではなく、陸上環境下で体を支える肩帯の特殊化の副産物として生じたという、従来の定説を覆すパラダイムシフトを提示しています。
平沢准教授は、自身がこれまで発表してきた比較解剖学および進化発生学の知見(Hirasawa et al., 2016)や、初期脊椎動物ですでに頸部の筋肉が進化していた化石証拠(Trinajstic et al., 2013)を踏まえ、この最新の力学データを脊椎動物進化のタイムラインの中に位置づけ、その進化生物学的な意義を包括的に論評しました。
News & Viewsについて
Nature 誌の「News & Views」は、同誌に掲載された注目すべき新しい研究(原著論文)に対し、編集部が関連分野の専門家に執筆を依頼する解説記事です。
進化学分野において、日本の研究者による同コーナーへの寄稿例は限られています。また、確認できた範囲では、今回が本専攻の設立以来*、所属教員による初めてのNature誌のNews & Viewsへの寄稿となります。
平沢准教授は2022年に、同誌に原著論文(Hirasawa et al., 2022; デボン紀脊椎動物のシンクロトロン放射光X線マイクロCT解析)を発表し、当時のNews & Viewsで論評の対象となりました。
今回の寄稿は、平沢准教授がこれまで培ってきた比較解剖学・進化発生学の専門性を背景に、関連分野の最新の研究成果について、その進化学的な意義を広く伝えるものです。
*本専攻の前身組織に所属していた小嶋稔先生による寄稿例があります。
記事本文については、以下よりご参照ください。
- nature (news & views):https://www.nature.com/articles/d41586-026-03061-8
- 上記SharedItリンク:https://rdcu.be/uo9oo2HAy1aa






