AI技術で小惑星の全ての土砂を高速自動計測 ―鉱山、土木、建設、防災へ応用可能―
プレスリリース
宮本 英昭(地球惑星科学専攻 教授(兼任))
発表概要
東京大学大学院工学系研究科の清水雄太特任研究員と宮本英昭教授(地球惑星科学専攻 兼任)らによる研究グループは、AI(深層学習)を活用し大量の岩石を高速かつ高精度に自動識別する実用的なアルゴリズムを世界で初めて確立しました。
本研究では独自に収集した数万個に及ぶ岩石の輪郭データを基に新たな解析手法を開発し、小惑星リュウグウ・ベヌー表面に存在する全ての1m以上の岩石粒子(識別数は350万個、画像間の重複を取り除き総数20万個を記録)を初めて網羅的に識別し、それらの形状と分布を解明しました。
その結果、両天体では表面の土砂が逆方向に移動していたことが明らかとなり、わずか数時間の自転速度の差がその原因であると突き止めました。
この成果は、小惑星の多様性や小惑星形成後の進化の理解に寄与するのみならず、防災・減災、採鉱・建設・土木工事現場で直面する大量の土砂の状態把握という課題の抜本的解決に向けた鍵となることが期待されます。

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