地球惑星環境学科 卒業研究ガイド

本ウェブサイトでは、地球惑星環境学科4年で実施する卒業研究に関する各種スケジュールをまとめています。

年間スケジュール概要

3月中旬: 卒業研究を担当できる教員(配属可能な教員)の研究紹介パンフレット配布
3月下旬: 演習分野の希望調査(宇宙・固体・環境・生命からの選択と興味をもった分野のキーワードの提出)
4月初旬: 地球惑星環境学演習の開始
5月初旬: 希望する研究テーマに関する小論文の作成
5月下旬: 面接の実施。仮指導教員の決定
6月上旬: 仮指導教員と研究テーマの選定を開始
7月中旬: 本指導教員の確定
8月下旬: 地球惑星科学専攻大学院入試
9月中旬: 卒業研究の具体的研究計画を発表する中間発表会を実施
11月初旬: 野外調査旅費申請
1月中旬:特別研究論文(卒論)の提出
1月下旬: 特別研究発表会の実施

(参考)過去の卒論題名のリストはこちら

<地球惑星環境学演習について>

この演習は4年Sタームの必修科目で、専門分野の英語文献を適切に読む力をつけることを目的としています。本演習は卒業研究とは独立した科目です。しかし、地球惑星環境学科では、幅広い分野からの研究室選択、研究テーマの設定、研究データの産生、卒業論文の執筆を一年で完了する必要があります。演習でも卒業研究に直結する文献を精読する方が良いと言う考えもあり、現在のシステムを運用しています。

演習の前半では、学生の興味に基づき、環境・固体・宇宙・生物の四分野に班分けをします。演習で深く勉強したいと思う内容を2~4つ箇条書き(あるいはキーワードでもよい)にして、3月末までに学科事務に提出してもらいます。自分の興味が絞り切れずに複数の分野を希望する学生もいます。この場合は、各分野の教員と相談の上、いずれかの班に所属してもらいます。

班別に各分野の教員と打ち合わせをし、一般的な教科書を用いたChapter Readingを進めてもらいます。後半は、5月中旬の仮配属決定後に、仮指導教員の下で専門的な論文の要約に取り組みます。科目の評価は出席と最終レポートです。レポートは学科内の三名の教員により審査します。英文で書かれた論文を要約する能力が求められているので、できるだけ3本以上の論文を読み、自分の科学的関心と関連付けて総合的なレポートをまとめることを推奨します。

<小論文の提出>

5月の上旬に実施します。ここでは、自分がやりたい研究の希望について、A4で1-2枚程度の小論文を提出してもらいます。この小論文は、指導教員候補者リストの教員全員に配布されます。指導教員候補者リストの教員は、小論文の内容から自分の専門分野に近いと考えた場合、面接への参加を希望できます。

<卒論テーマ面接>

5月上旬に、学生全員に対して面接が実施されます。1名当たり10分程度の時間を取り、昼休みに実施します。小論文の内容を一分程度説明してもらったのち、その内容を基に教員が質問をします。これは知識を問うものではなく、興味の対象を明確にすることで、専門性の合致する教員を紹介することを目的としています。

この面接は大変重要です。みなさんは、卒論研究以降も研究室を変える機会があります。しかし、現代の先端研究の多くは、高い専門性に特化した研究者の共同作業から生み出されることも事実です。大学院進学後も、あまり大きな進路変更を繰り返すと着実な能力が身に付きにくいですから、特化したい専門分野についてしっかりと考えて下さい。そのためには、できるだけ充実した小論文の作成を推奨します。研究テーマを構想し、文章化するのは、通常の講義とは異なる力を要する作業です。しかし、自分のキャリアを具体化する第一歩と考えるならば、どれだけ時間をかけてもかけ過ぎということはありません。

<仮指導教員の決定>

5月の面接を受けて、教員側から三名以上の指導教員候補を通知します。原則として提案された全教員を訪問してください。その後、仮指導教員希望届を学科事務室に提出し、仮指導教員を決定します。教員側には受け入れられる人数の制限があるので、必ず希望に沿えるかはわかりません。訪問時に希望教員と良く話をしておいてください。

なお、5月下旬には地球惑星科学連合の連合大会、6月上旬には大学院入試のガイダンスなどもありますが、これらも研究室選びの参考になります。有効に活用して下さい。

<本指導教員の決定>

仮指導教員決定後、演習における論文の輪読や、卒論テーマに関する研究活動に着手してもらいます。その後、7月初旬頃に本指導教員を決定します。仮指導教員から変更を希望する場合は、この段階で申し出てください。ただし、面談を経て受け入れの内諾を得ている教員以外への変更は認められません。この段階で変更するケースは多くありませんが、希望する場合は事前に仮指導教員ともよく相談をしてください。変更希望者は、最終的に教務委員との面接を経て、本指導教員を決定します。

<中間報告会>

大学院への進学を希望する学生さんは、8月中~下旬に大学院入試があります。それから約半月後に卒論の中間報告会が開催されます。発表時間は一人17分(発表12分、質問5分)です。この報告会の主な課題は「研究目的の理解」です。なぜその研究を実施するに至ったかを、演習で読んだ論文等をふまえて丁寧に説明して下さい。一方、この段階で何らかのデータや解析結果が示されると、議論もより濃密なものになります。有意義な中間報告にするために、夏季休業期間も有効に利用して、研究を進めて下さい。

発表の評価は会場の教員により行い、コメントは学生にフィードバックします。参考にして、残りの卒業研究に役立てて下さい。

<野外調査旅費申請>

地球惑星環境学科の卒業研究では野外調査を伴うことも多いため、学科の予算で、交通費と宿泊費の一部を補助する制度があります。希望する場合は、指導教員を通じて申請して下さい。申請時期は例年11月頃になります。それ以前の調査については、旅費や宿泊費の領収書などを保管しておくよう注意して下さい。

旅費申請の詳細はこちら

<卒業論文の提出>

卒業論文は1月中旬に提出です。最初は思いのほか時間がかかるものです。12月末の学生部屋では、夜遅くまで論文やデータ解析に取り組む学生が増えます。素敵な青春の一場面になると思いますが、計画的に進めることにも留意して下さい。論文の審査は複数名の教員により実施されます。

卒論のフォーマットに関するインストラクションはこちら

<卒業研究発表会>

卒業論文提出の翌週~翌々週に実施されます。この時期には修論発表会もあり、教員も含めて過密日程になります。しっかりと準備をして臨んで下さい。発表時間は一人15分(発表12分、質問3分)です。発表の評価は会場の教員により行い、コメントは学生にフィードバックします。

口頭発表終了後に、ポスター発表の時間を設けています。発表スライドのA4コピーを用意しておいてください。三年生は、研究室選びの参考になるので、是非参加して下さい。夕刻には慰労会が開催されます。

<研究発表のTips>

プレゼンテーションは創造的なものです。自分の独創性を披露しても良い場なので、あまり細かい指示はしません。ただし、相手に伝えるという目的に沿えば、見やすい、聴きやすいプレゼンテーションの型はある程度定まっています。下記の点にも注意してみてください。お互いで練習を見せ合うのも効果的です。
・ 図や文字は聴衆にはっきり見えるよう大きく示すこと。(18ポイント以上を推奨)
・ 話の最後には結論を示すこと。質疑応答の時間は結論のスライドを聴衆に見せること。
・ 質問の時間確保を重視すること。状況によっては結論スライドを読みあげなくても良い。