5つの研究グループ

地球惑星科学専攻では、5つの研究グループにわかれて研究・教育を行っています。
ここでは、それぞれのグループの研究分野について紹介します。

学生の声

研究と大学院と私
鹿倉 洋介 (固体地球科学講座 修士1年)

 

研究分野について
 私は、地形がどのようにして今の形を作ってきたのか、今後どうなっていくのかについて興味を持っています。
地形は、地震や地殻変形などの地球内部でおこる現象や、降雨・氷河浸食・風化などの地球表層面でおこる現象によって長期的にその形を変えていきます。これらの条件がどのように相互作用して、地形が今の形を作るに至ったのか、またこれからどのように発達していくのかを解明していきたいと考えています。ですが、これはあまりに遠大な目標なので多分一生かかっても一部しか出来ないと思います。修士課程では降雨などによる浸食作用について研究しようと考えています。

氷河侵食地形(ユングフラウ、スイス) 阿寺断層(岐阜県)

どうしてこの分野への進学を考えたか
 私は身の回りの物事に対する好奇心が強く、どのようにしてこの世界が動いていくのかに小さい頃から興味がありました。具体的に言えば、理科・社会といった教科が小学校の頃から好きでした。(得意科目がこの組み合わせと言うことで、高校のとき文系・理系選択には苦労しましたが…)

ですから、理学を志して大学に入ったあと、理学系の学問の中でも、比較的対象が身近なものである地球科学分野を選んだのは、自分にとって自然なことだったと思います。また、地球科学には、十五年ほど前に放映された地球大紀行(NHK特集)の漫画版(小学館)・学研のひみつシリーズ(学習研究社)などを読んで小学校の頃から興味を持っていました。

学部時代は京都大学総合人間学部に所属しており、卒業研究ではプレートテクトニクスに興味を持ち、古地磁気学を用いたプレート回転運動の研究を行いました。そして、大学院からこちら、東京大学に来ました。理由としては、以下三点が主に挙げられると思います。

  1. 研究テーマを変えようと思ったから。卒論では、プレートテクトニクスに興味を持ち、古地磁気学(岩石に残る様々な磁気的性質を測定して様々な考察を行う学問)によるプレート運動の研究を行いました。しかし、プレートテクトニクスの考察においては、古地磁気学はその性質上、プレートの回転量とそれが起こった時期を推定することまでしか出来ません。物理学的にどのような過程を経て、地形の形成が行われているかについて研究を行いたいと考え、分野を変える事にしました。
  2. 本専攻の教育・研究体制が整っているから。ここでは教育課程の段階で内部進学者と外部進学者の知識が同じになるように配慮し、学部専門科目を大学院の認定科目とするなどの対策を採っています。また、学生数が多く、志を高く持って研究を行っている方が多いので、ゼミなどでの討論は白熱し、とても勉強になります。
  3. 指導教官やゼミの雰囲気が自分にあっていると思ったから。研究の上で、意外と大事なのがこの点です。院生生活や研究活動を円滑に行う点で、この相性が悪いと大変なことになってしまいます。

研究室紹介
  私の研究室は、本郷の理学部新一号館七階にあります。ここでは研究グループごとに部屋割りが行われるのではなく、七階にいる教官を指導教官とする学生が混ざり合う形で院生部屋に割り振られています。こうすることで、他の分野の話をお互いに日常的に行って視野を広げたり、交友関係等も狭い世界に陥りがちになることを防いだりしています。
 この七階には地球惑星・地球システム・固体地球の教官がいるので、院生の研究分野は非常に幅が広く、いろいろな分野の情報を得ることが出来、話をしていて大変楽しいです。また、皆で声を掛け合って一緒に夕食をとることも多いです。

研究生活
  大学院生の生活は基本的に研究が中心です。研究分野によって生活様式は違い、それぞれのとる手法(室内実験、野外観測、数値計算など)により異なります。室内実験の方は実験設備の関係から、日常的に時間的な拘束が多く、野外観測の方は長期の巡検などで集中的に時間を割かれることが多いと思います。数値計算の方はプログラムを書いて走らせるため、各自で時間を決めてやることになると思います。

 普段から行わなくてはならないのは、研究のためには教科書や論文を読むことです。英語の論文と格闘するのは大変ですが、研究史の上で土台となった論文や、最先端を知ることは自分の研究の方向性を決める上で欠かせないことです。

 また、ゼミや授業も存在します。授業については、特に修士課程一年の前期が集中するべき時期になるかと思います。修士課程は八コマ分とれば修了ですので、それほど大変ではないと思います。私は自分の勉強のためになる科目をとりました。ゼミは、研究室ごとの必須のゼミに加え、自分の興味のあるものをとればいいと思います。研究室単位のゼミ以外にも横断的に行われているゼミは多いですから、自分の研究の幅を広げるためにもそういったものが必要だと思います。

大学院入試体験記
  ここを読んでいる皆さんが一番興味のある点がこの項目かもしれませんね。私は四年のとき京都大学人間環境学研究科の院試に失敗し、翌年本専攻に合格しました。

院試に落ちた原因は「志望動機の練りこみが甘かったこと」です。私の受験した大学院では面接が重視されるため、面接で志望動機をうまく話せずに失敗した私は落ちてしまいました。

 九月に院試に落ちた後、卒業研究である程度の成果が出せました。しかし、研究室の先輩方と相談したり、上の「どうしてこの分野への進学を考えたか」の項にあるように自分の研究したいことを考えたりした結果、こちらの大学院に進学することを考えました。これを考えたのは六月頃です。その後、こちらで七月の初めに開催された大学院説明会に参加し、今の指導教官の方と話をさせていただき、こちらで研究することを本格的に考え始めました。そして、このときに過去問を入手し、七月・八月と集中的に受験勉強を行って大学院合格までこぎつけました。

 私の院試の勉強について科目ごとに説明したいと思います。一般教育科目の試験は物理・地球科学選択で行いました。

  1. 英語:大学院入試問題集や長文読解用の問題集で、毎日必ずひとつの英文を読むのを目標にしました。こちらは前年十一月頃から継続的に行っていたので、かなり英文を読む力がついたと思います。
  2. 物理:七月に入手した過去問を通して出題分野を見た後、大学院入試問題集で勉強しました。教養で勉強したことはかなり忘れてしまっていたため、思い出すのに苦労しながら勉強しました。
  3. 地球科学:学部時代に専門科目を勉強しており、過去問をみるとそれを復習すれば大体取れそうな問題が多かったため、復習中心に軽く済ませました。
  4. 小論文:問題が決まっており、面接にそのまま使われる上、英語・一般教育科目の試験が終わって疲労がたまったところで行われるため、事前にきちんと書く内容を決めておく必要があります。私は前年これで落ちたようなものでしたから、事前に原稿を完成させ、同級生に添削をしてもらい、万全の体制で臨めました。

最後に(かなり説教くさいですが…)
  大学院の生活は研究中心になります。皆さんは小中高大と、約十六年間、既成の学問を学ばれてきたと思います。しかし大学院からは、自ら新しい考えを打ち立て、学問を切り拓いていく能力が必要とされます。

 そのためにはまず、自分が何を研究したいのか、を自問自答するのが一番必要なことだと思います。逆に言えば、これの答えが見付けられないようでしたら、大学院での生活はかなりつらいものになると思います。研究活動にこそ、大学院に進学する意義があると私は思います。

 皆さんが幸せな大学院生活を送られるのを祈りつつ本稿を終わります。