5つの研究グループ

地球惑星科学専攻では、5つの研究グループにわかれて研究・教育を行っています。
ここでは、それぞれのグループの研究分野について紹介します。

学生の声

大学院までの道のりといま
高須賀 大輔(大気海洋研究所・修士1年)

 

 

 

 こんにちは。私はいま修士1年で大学院に入ってからまだ4ヶ月程度しか経っていないのですが、大学院に入るまでの話と現在の院の生活について、自分の経験をもとにつらつらと述べたいと思います。

 

 

1. 学部時代

 

 学部時代は東大理学部の地球惑星物理学科に所属していました。というのも、どういうわけか小さい頃から気象に興味があったからです。夏空にもくもくとわきあがる積乱雲や、激しい風雨をもたらす台風といった、美しくも迫力のある現象にはとりわけ心惹かれるものがありました。そんな現象はどうやってできるのか、どんな役割を果たしているのか、どんな影響をもたらすのか…、漠然とした興味からうまれる疑問についてもっと深く知りたいと思ったのが学科、ひいては大学院でそのまま地惑専攻にすすんだ動機です。

 

 4年生では前期と後期でそれぞれ別テーマの演習(卒業研究みたいなもの)があり、私はどちらも大気海洋系から選択しました。せっかく地球惑星物理学科にいるので、宇宙惑星や固体地球のテーマをやってみようとも思ったのですが、結果的には興味のままに突き進んだという感じです。前期は関心のあった台風の発達過程、後期は熱帯の主要な季節内変動であるマッデン・ジュリアン振動とよばれる現象について取り組みました。前者はとある論文のシンプルなモデルをコーディングして数値計算する再現実験、後者は全球モデル(流体力学や熱力学、その他物理的な過程がコンピューター上で表現された仮想的な地球)を使った研究で、どちらも熱帯のシステムで数値シミュレーションが絡んだものでした。シミュレーションがうまく走るまでにかなり苦労しましたが、動かせるようになると色々なことができて面白く、熱帯と数値計算と世界に魅力を感じることになりました。もっとも、結果の解釈や考察は人間がやるしかないので、これまた大変でしたが…。

 

 何はともあれ、研究をしていくとなると大学院に行くことになります。次に、大学院入試についての話をすることにしましょう。

 

 

2. 大学院入試

 

 大学院に入る上で避けては通れないのが院試です。まともに1日拘束される試験というのは大学入試以来で、なかなか疲れるものがありますが、こればかりは制度上仕方ないので、がんばって受かりましょう。とはいえ、それほど難しくはないので、必要以上に不安にならなくても大丈夫かと思います。筆記試験(英語・専門科目・小論文)と面接があり、専門科目は2科目選択する形です。”一応”選択ですが、研究室によっては専門科目を指定している場合も多いので注意しておきましょう。

 

 英語はTOEFL-ITPによる試験です。問題数はそれなりに多いにもかかわらず時間は厳しめなので、市販の問題集を用いて慣れておいたほうがよいかもしれません。あと、夏という季節柄、リスニング中にセミが元気に鳴いているかもしれませんが、「いとおかし」と受け流すくらいの余裕もあれば完璧ですね(笑)。ちなみに私は無理でした。英語は大学院に入ってからも、教科書読みや論文のレビュー、セミナーの聴講や学会発表など、多くの場面で必要に迫られるので、院試対策という枠にとらわれずにやっておくとのちのちとても役に立つと思います。専門科目は数学と物理学を選択しましたが、落ち着いてとけば基本的な問題が多かった記憶があるので、焦らずに丁寧に解いていきましょう。対策としては公開されている過去問題をこなしていれば十分だと思います。

 

 やや特殊なのが小論文で、大学院で何をやりたいかを聞かれます。いざしっかり書こうとすると筆が進まないかもしれませんが、ある程度やりたいことの方向性を見つけておくことは大事な気がするので、いい機会だと思って色々考えてみるとよいでしょう。ある特定の現象や地域に着目したい、数値シミュレーションで色々探ってみたい、膨大なデータを解析して新たなものを見出したい、観測したいなど、重きを置きたい対象やアプローチの仕方はそれぞれです(結局はオーバーラップすることになりますが)。自分の性格やこれまでの経験などを踏まえて、自分に合うものを純粋に見つけられたらよいのかなと思います。考えの幅を広げるために、先生方や友人と話したりするのも良い糧になるでしょう。

 

 筆記試験に無事に合格すると面接があります。面接は多くの先生方に対して1人の学生という形なので、緊張するかもしれませんが、基本的には小論文の内容に基づいたものなので、素直に受け答えすれば大丈夫です。面接を経て、正式に合格がもらえると、面接や小論文の内容を踏まえて何人か指導教員の候補を紹介してもらえます。よく言われることですが、やりたいことと相性を考えて最終的に決めましょう。

 

 

3. 大学院の生活

 

 ここまで長々と書いてしまいましたが、みなさんが関心のあるのは「大学院ってどんな感じなの?」というところだと思います。まだ入って間もないですが、私の場合を例にして書きたいと思います。

 

 大気海洋系だと、選択する研究室によって本郷ないし柏(大気海洋研究所)を本拠地にすることになります。私はいま後者のほうで、基本的には柏キャンパスで1週間の大半を過ごしています。数値モデルを使うということ以外は、まだ研究テーマをかっちり決めているわけではないので、学部の特別研究の内容を論文にまとめたり、面白そう、あるいは役に立ちそうな論文を見つけては読んだりしている日々です。どちらかというと、現時点では基礎体力向上のためのインプットの方が多い気がします。新しい内容を自分の中になじませるのはなかなか大変ですが、世界が広がる感覚があって結構楽しいです。他には、研究室のゼミや教科書の輪読、コロキウムやセミナーがそれぞれだいたい週1回あって、それに参加しています。ゼミや輪読の準備にはかなりの時間を割くことになりますし、発表をして先生や先輩からコメントをもらったり、議論したりするなかで、自分の理解の甘さに気付かされることも多々あります。ですが、新たに考えるネタが増えるのも面白いので、時間が許す限りは自分が腑に落ちるまで考えるようには心がけています。また、コロキウムやセミナーの形式は千差万別かもしれませんが、こちらでは研究室の垣根を越えて開かれていて、幅広い内容の発表を聞いたりすることができます。

 

 また、研究成果を学会などで外に発表することもあります。私は5月と8月に発表の機会をいただきました。発表資料の作成や発表練習など、慣れないうちはかなり手こずることになりましたが、自分のやったことをわかりやすく正確に伝えることも研究において重要だと思います(質問やコメントをもらえれば、そこから深く掘り下げられる可能性もありますし)。発表を楽しめるくらいの域に達したいものです。

 

 もちろん授業もあって、前期は週2日で計4コマとっていました。学部に比べると少ないですが、今年から1コマ105分になりましたし、やはり学期末はレポートなどでやや忙しいです。できれば計画的にこなせるとよいでしょう。あと、授業はすべて本郷で行われるので、ぶっちゃけてしまうと柏から受けに行くのはやや面倒ではあります。でも、移動中は何か考え事をしたりしているとあっという間で、気分転換にもなります。実際、上野駅を使って本郷まで上野公園を通って歩いていくルートはいいものです。

 

 学部時代のときにいた本郷と比べて、柏キャンパス周りは端的に言うと「田舎」です。もちろんはじめのうちは寂寞感もありましたが、だんだんと静かで落ち着いた環境に慣れてきました。それに、周りがひらけていて広い空を眺めることができるのは、気象の原点な気がして良いところだと思います。あと、サッカー場やテニスコートもあるので、スポーツをやる人は存分に気晴らしもできますよ!

 

 

4. さいごに

 

 大学院に入るまでとそれからの生活を書いてみましたが、少しはイメージが湧きましたでしょうか。なかなか大変そうな印象を持たれた人もいるかもしれません。たしかに、授業に研究・勉強、発表が同時並行することになるので慣れるまではしんどいですが、あせらずに知識を吸収して、いろいろあたってみて、徐々に自分の興味を絞っていく過程はとても大事です。その過程の中であることがわかると、関連した他のことを知る意欲もでてきて、右も左もわからない状態をだんだん脱せるようになったころが楽しいのかなと思います。きっとこれを読んでくれている人は、地惑専攻やとりわけ大気海洋系に興味がある人だと思いますが、ぜひその好奇心を深めていってほしいです。みなさんが大学院に入ってきてくれることを楽しみにしています!