5つの研究グループ

地球惑星科学専攻では、5つの研究グループにわかれて研究・教育を行っています。
ここでは、それぞれのグループの研究分野について紹介します。

観測固体地球科学講座(地震研)

 観測固体地球科学講座ウェブサイト

「地震研究所」では,地震の発生や火山の噴火など,地球で起こる様々な現象を理解するための最先端の研究を行っています.地球の中を良く知るために,地震波・電磁波・素粒子などを用いた地球内部の探査や,計算機シミュレーションによる地球内部の状態の再現と予測,岩石の高温高圧物性を調べるための室内実験などが精力的に行われています.地球内部についてはまだ良く分かっていないことが多いため,新しい観測データや実験データが大きなブレークスルーをもたらします.地震研究所では,新しい観測機器や実験装置開発に力を入れ,自分たちのデータから新しい地球観を生み出すことを目指しています.

地球の中を診る,調べる

地球内部を「診る」ことは,地震・火山活動やより深部での活動を研究する上での基礎となります.地球の中を直接覗くことはできないため,地震波や電磁波などを用いて調べます.近年,地震や電磁気の観測網が高密度に整備され,地球の内部をこれまでにない高解像度で診ることができるようになり,地球内部への理解が急速に進んでいます.観測点のない海域へ設置する海底地震計の開発や,インバージョン法の研究,地震波速度や電気伝導度で見える地球内部の不均質構造から有用な情報を引き出すための岩石物性の研究などが行われています.

東北日本下および北西太平洋下における海洋プレートのイメージング.プレートの底に当たると解釈できる構造がみとめられる.

写真:北西太平洋深海底に設置された孔内観測点.

地球内部ダイナミクス

地震発生や火山噴火などの個々の現象は,もっと大きな地球のダイナミクスの一部として捉えることができます.地球全体の活動の解明を目指して,マントル対流のシミュレーションや,高温高圧実験,放射性元素や微量元素を用いた地球内部の物質循環の研究,などが行われています.岩石の物性には未知の部分が多く,鉱物粒界のようなナノスケールの物理化学特性の解明が,マクロスケールの現象の理解を大きく変えてしまう可能性があります.

マントル対流のシミュレーション.温度の高い上昇域が黄色で,温度の低い下降域が青色で示されている.

マントル物質の超塑性発現.

試料の微細構造(a 未変形試料b,c 変形試料.赤い粒子同士が引っ張り方向に直交する方向に衝突合体する.d 粒子レベルでの変形モデル)

地震発生のメカニズム

GPSや海底歪み計を用いた地殻変動観測によりひずみの蓄積過程を調べ,地震発生予測につなげることを目指しています.また,発生した地震の震源過程は,地震波,津波,地殻変動,余震分布,重力変動など,地震に伴う様々な現象を観測して多面的に解析されます.そして,断層破壊の室内実験・粒子モデルシミュレーションの結果や地震波の発生と伝播のシミュレーションなどと合わせて,地震発生のメカニズムを明らかにすることを目指しています.強震動予測や地震工学など,災害軽減を目指した研究も行なわれています.

東北地方太平洋沖地震の強震動・測地・津波の各観測に基づいた統合震源モデル。矢印は断層の各部分のすべりのベクトルをあらわす.

火山噴火のメカニズム

地球内部におけるマグマの発生と上昇は,地球の進化をもたらす重要なプロセスです.また火山噴火は,マグマの発泡や破砕などを伴い,固体,液体,気体がすべて関与するダイナミックな現象です.火山学は,地球物理学と岩石・地質学の両方の側面を持った複合的分野で,地震研究所では,噴火現象の観測やモデリング,マグマの移動や火山性地震の観測,噴出物の分析など,様々な側面から火山現象の解明を進めています.

衛星画像,海底地震計,空振計,海洋調査船等を用いた西之島火山の観測

宇宙線ミューオンラジオグラフィーにより得られた昭和新山内部の密度断面図.

新しい観測のための機器開発

地球科学では,新しい観測が様々なブレークスルーをもたらしてきました.地震研究所では,海底地震計,レーザー干渉ひずみ計,宇宙線ミューオンを用いた火山体内部のイメージング,低周波微小振幅変形実験装置など,独自の技術を開発して新しい観測を行なっています.

マグマなど地下流体の動きによる重力変化を精密計測するために開発中の小型絶対重力計.

地震研究所への進学

地震研究所の特徴は,地球物理学,岩石学,地質学,物理学,工学など,様々なバックグラウンドを持った研究者が共同して地球の解明を目指している点にあります.また,観測,実験,理論モデリングなど,様々な手法の研究が行われています.異なる視点に立った多様なアプローチに日常的に触れることは,境界領域にある研究課題の開拓や,学問的視野を広げることにつながります.また,観測や実験から得られる1次データに触れ,地球や物質を実感として理解することは,地球科学の研究を行う上で貴重な経験になります.毎年開催される一般公開などを通じて,多くの研究仲間ができると思います.地震研究所は,本郷キャンパスの北端にあります.是非一度来てみてください.

地震研究所の一般公開で実験の説明をする大学院生.

所在地

〒 113-0032 東京都文京区弥生 1-1-1
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/
地下鉄南北線「東大前」下車徒歩 5 分,または千代田線「根津」下車徒歩 10 分.

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