現在の地球の姿

地球は半径約 6370 km のほぼ球形の物体です。地球内部がどのようになっているかということは、直接見たり触ったりできないので、主に地震波を用いて研究されてきました。 各地震ごとに、震源からの距離に応じて地震波の到達時刻を並べることで走時曲線というものが作成できます。地球内部が一様均質であれば走時曲線は滑らかな 曲線になりますが、実際の観測データから走時曲線を作成してみると、傾きが急変したり途中で途切れてしまったりします。これらの現象は、地球内部に地震波 速度が急激に変わる不連続面があると考えることでうまく説明できます。

このような原理によって、まず1909 年にモホロビチッチが、地殻とマントルの境界であるモホロビチッチ不連続面(モホ面)を発見しました。その後、地球内部は、地殻・マントル・核に大きく三 分されること、さらにマントルは上部マントルと下部マントルに、核は外核と内核に区分できることが分かってきました(図1)。外核は横波(S波)を通さな いため液体と考えられています。地震波の記録や高温高圧実験の結果、隕石のもたらす情報などを総合することにより、地殻・マントルはそれぞれ珪酸塩を主成分とする岩石、核は主に鉄でできていると推測されています。

最近では、高精度なデータの増加や解析手法の進歩により、地球内部の1次元的な層構造だけでなく、3次元的な不均質構造も推定できるようになってきました(図2)。このような速度構造の不均質は、温度分布に焼き直すことが可能で、それはマントルの対流運動を反映していると考えられています。地震波を使った地球内部構造の推定から、地球内部のダイナミクスが解明できるのです。地球の表層から深部に至るダイナミクスを理解することは地球科学の最前線のテーマです。

[ 図1 ]地球の内部構造(主成分)と地震波の伝播経路

[ 図1 ]地球の内部構造(主成分)と地震波の伝播経路。外核は液体のためS波(横波)は通さずP波(縦波)のみ通す。

[ 図2 ]地震の表面波のデータから推定した地震波(S波)速度の3次元的不均質構造

[ 図2 ]地震の表面波のデータから推定した地震波(S波)速度の3次元的不均質構造(Hara and Geller, 2000, GJIより引用)。各深さにおける地震波速度の平均値からのずれを赤色(低速度)と青色(高速度)で示している。低速部は高温度領域に、高速部は低温度領 域に対応すると考えられている。海嶺の直下や大規模な火山活動のあるホットスポット(ハワイなど)下部では速度が遅く(高温)、沈み込み帯や安定大陸の直 下では速度が速い(低温)など、地震波速度の不均質は、地上の地質学的構造火山活動などと調和的である。

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